Web サーバーの構築 : Apache のインストール
インストール
それでは、Apache をインストールしていきます。Portage のおかげで、とても簡単にインストールできます。
USEフラグの設定
Apache のインストールをする前に、USEフラグ に "apache2" を追加しておきましょう。vi などで "/etc/make.conf" を読み込み、"USE=" の行に "apache2" を追加して、保存してください。時間があれば、USEフラグの変更手順 でご紹介した手順を行ったほうが無難だと思います。
Apache インストール
Apache は Portage で簡単にインストールできます。
emerge apache
起動してみる
デフォルトで最低限の設定が行われているので、さっそく起動してみましょう。
/etc/init.d/apache2 start
起動したら、クライアントマシンで Web ブラウザを立ち上げ、サーバーにアクセスしてみましょう。サーバーの IP アドレスが 192.168.0.1 であれば、"http://192.168.0.1/" にアクセスすれば OK です。「Test Page for Apache Installation」というページが表示されれば Apache が正常に起動しています。
基本設定
Apache の設定はほとんどが "/etc/apache2/httpd.conf" に記述されています。設定は多岐にわたりますので、ここでは代表的なものを抜き出してご紹介します。詳細についてはディレクティブ クイックリファレンスなどをご参照ください。
書式
Apache の設定ファイルの書式は、かなり独特です。基本的には 1 行につきひとつの設定(ディレクティブと呼びます)を記述するのですが、ある条件でのみ適用される設定を記述する場合などは、HTML のタグのような記述でブロックを作ります。例えば、"/var/www/" のみに適用される設定を記述する場合は、以下のようにします。
<Directory "/var/www"> # 設定を記述 </Directory>
このようなブロックを、Apache では「セクションコンテナ」と呼ぶようです。セクションコンテナの外にある記述は、すべての条件において適用されるグローバルな設定となります。
代表的なセクションコンテナ
ディレクティブ | 機能 |
---|---|
Directory | 特定のディレクトリに対する設定 |
Location | 特定の URL に対する設定 |
IfDefine | マクロが定義されているかどうかで場合分け |
IfModule | モジュールが存在するかどうかで場合分け |
VirtualHost | バーチャルホストの設定 |
代表的なディレクティブ
ディレクティブ | 機能 |
---|---|
Include | 指定されたファイルを挿入する |
LoadModule | 指定された拡張モジュールをロードする |
Listen | リクエストを受ける IP アドレス・ポートを指定 |
User | Apache を動作させるユーザーを指定 |
Group | Apache を動作させるグループを指定 |
ServerAdmin | エラーページなどに表示するメールアドレスを指定 |
ServerName | リダイレクト時に使うホスト名を指定 |
UseCanonicalName | ServerName を有効にするかどうかを指定 |
ServerSignature | エラーページに表示する情報の制御 |
DefaultType | デフォルトの MIME タイプの指定 |
AddDefaultCharset | デフォルトの文字コードを指定 |
AddHandler | 拡張子に対して CGI などのハンドラを有効にする |
Alias | URL の別名を指定 |
ScriptAlias | URL の別名を指定し、CGI の実行を許可する |
Options | CGI などの機能の有効/無効を指定 |
AllowOverride | ".htaccess" による設定の上書きを許可するかどうかを指定 |
Order | アクセス許可を判断する順番の指定 |
Allow | アクセス許可の条件の指定 |
Deny | アクセス拒否の条件を指定 |
DirectoryIndex | URL がディレクトリで終わっているときに表示するファイルを指定 |
/etc/apache2/httpd.conf の設定例
私の場合は、デフォルトから以下の設定を変更しました。
DirectoryIndex index.html index.cgi index.php #AddDefaultCharset ISO-8859-1 AddHandler cgi-script .cgi
設定後は、Apache を再起動してください。
/etc/init.d/apache2 restart
あとは、"/var/www/localhost/htdocs" 以下に HTML ファイルなどを作成すれば、クライアントからアクセスできるようになります。
デフォルト起動に設定する
すべての設定が完了したら、デフォルト起動するようにしましょう。
rc-update add apache2 default
これで Apache のインストールは完了です。明日はバーチャルホストをはじめとするもう少し実用的な設定をご紹介しようと思います。
|left:−−−−|right:Apache のより実用的な設定|
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