MySQL が動作したので、今度は phpMyAdmin のインストールをやってみようと思います。phpMyAdmin はその名のとおり、PHP ベースの MySQL 管理ツールです。Web ブラウザから簡単に MySQL の管理作業が行えます。

phpMyAdmin を動作させるには、当然ながら Apache や PHP がインストールされていなければなりません。それらのインストール方法については、 Apache による Web サーバーの構築を参照してください。

インストール

phpMyAdmin は Portage のパッケージが用意されていますので、簡単にインストールできます。webapp-config にも対応していますので、バーチャルホスト環境にも容易に対応できます。それでは、早速インストールしてみましょう。

USEフラグの設定

phpMyAdmin のパッケージが参照するUSEフラグは vhosts だけです。vhosts フラグが無効であれば自動的に "/var/www/localhost/htdocs/phpmyadmin" に展開されますが、そうでなければ手動で webapp-config を実行する必要があります。

phpMyAdmin を上記の場所以外で運用したい場合は、vhosts USEフラグを有効にしておきましょう。

パッケージのインストール

パッケージのインストールはいつもどおり emerge を実行するだけです。

emerge dev-db/phpmyadmin

webapp-config の実行

この手順は vhosts USEフラグを有効にしている場合だけ必要です。無効にしている場合は読み飛ばしてください。

webapp-config は、 Portage の利点を生かしたまま複数のバーチャルホストでの Web アプリケーションの運用を可能にする、 GentooLinux のユーティリティーです。 vhosts USEフラグを有効にしている場合は、Portage パッケージをインストールした後に webapp-config を使って適切なバーチャルホストのディレクトリにファイルをコピーしなければなりません。

例えば、"http：//www.sourcewalker.com/phpmyadmin" で phpMyAdmin を運用する場合は、以下のコマンドを実行します。

webapp-config -I -h www.sourcewalker.com -d phpmyadmin phpmyadmin <バージョン>

バージョン はインストールした phpMyAdmin のバージョンに置き換えてください。こうすると、"/var/www/www.sourcewalker.com/htdocs/phpmyadmin" にファイルがコピーされます。その他、 webapp-config の使い方の詳細に関しては、こちらの記事をご参照ください。

以降は、"/var/www/localhost/htdocs/phpmyadmin" にインストールされていることを前提にします。適宜読み替えてください。

Apache 側の設定

Apache 側は、PHP さえ有効になっていればほとんど設定の必要はありません。ただし、あまりおおっぴらに公開するようなものではありませんから（＾＾；）、アクセス制限はきちんとしておきましょう。例えば、192.168.0.* 以外からのアクセスを拒否する場合は、以下のような記述をホストの設定の中に含めておきます。

<Directory /var/www/localhost/htdocs/phpmyadmin>
    Order deny,allow
    Deny from all
    Allow from 192.168.0
    AllowOverride all
</Directory>

"AllowOverride all" にしているのは、パッケージに含まれている ".htaccess" ファイルによって "libraries" フォルダへのアクセスを禁止するためです。設定を変更したら、Apache を再起動するのを忘れないでください。

/etc/init.d/apache2 restart

ちなみに、phpMyAdmin の設定でもホストベースのアクセス制限を指定できます。私は Apache 側で処理したほうが安全そうな気がするのでこうしていますが、このあたりは好みの問題でしょう。

データベースに専用のテーブルを追加

phpMyAdmin を動作させるには、MySQL のデータベースに専用のテーブルなどを作成する必要があります。それには、以下のコマンドを実行します。

mysql -u root -p < /usr/share/webapps/phpmyadmin/<バージョン>/sqlscripts/mysql/<バージョン>_create.sql

バージョン はインストールした phpMyAdmin のバージョンで置き換えてください。実行するとパスワードを尋ねてきますので、MySQL の root ユーザーのパスワードを入力してください。

phpMyAdmin の設定

phpMyAdmin 自体の設定は、"/var/www/localhost/htdocs/phpmyadmin/config.inc.php" に記述します。デフォルトの設定が "libraries/config.default.php" として用意されていますので、まずはそれをコピーして雛形を作ります。

cd /var/www/localhost/htdocs/phpmyadmin
cp libraries/config.default.php config.inc.php

そして、以下の設定を変更すれば、さしあたり使えます。

$cfg['PmaAbsoluteUri'] = '';

各設定にコメントが付いていますので、必要に応じてカスタマイズしてください。最近のバージョンでは、 "scripts/setup.php" のページにアクセスすることで、ブラウザからカスタマイズすることもできるようです。

以上で、phpMyAdmin のインストールは終了です。

使ってみる

それでは、ブラウザで phpMyAdmin が動作しているホストの "/phpmyadmin/index.php" にアクセスしてみてください。ユーザー名とパスワードを尋ねてくるので、とりあえず root ユーザーでログインしてみましょう。以下のようなページが表示されるはずです。

もし文字化けするようなら、ブラウザのエンコーディングを UTF-8 に切り替えてみてください。

今日はインストール方法のご紹介ということで、このあたりで終わりにします。そのうち時間が取れれば使い方なども記事にしていきたいと思っています。phpMyAdmin を使うと、MySQL の管理・運用がとても楽になり、活用の幅が広がります。ぜひ MySQL とセットでインストールしてみてください！

ただし、セキュリティーにはくれぐれもご注意を（＾＾；