Ruby on Rails のインストール
休日中になにをやっていたかというと、実は Ruby on Rails について調べていました。ということで、本日から新シリーズとして Ruby on Rails を始めようと思います。Ruby on Rails は海外で人気急上昇中のWebアプリケーションフレームワークで、最近は日本でもさまざまな雑誌で紹介されるなど、人気が高まっています。初回である本日は Ruby on Rails の概要と GentooLinux でのインストール方法をご紹介します。
Ruby on Rails とは
Ruby on Rails はその名のとおり Ruby で記述されたWebアプリケーションフレームワークです。データベースと連携したWebアプリケーションをとても素早く、しかもメンテナンスしやすい状態で構築できます。作者である David Heinemeier Hansson さんは PHP や Java でのプログラミング経験があるそうで、PHP の迅速さと Java の清潔さを併せ持ったフレームワークとして Ruby on Rails を設計したそうです。
そのポイントとなるのが、「設定よりも慣習」というコンセプトです。Ruby on Rails では、プログラム内でのインターフェースや名前付け規則はもちろん、ソースファイルの配置やデータベースのテーブル・カラムの名前まで、一定の規則があります。それらを完全に固定した上で Ruby の充実したリフレクションやランタイム拡張を利用することで、大幅な自動化を実現しています。それらの挙動をオーバーライドすることも可能ですが、あくまでレガシーなデータなどを利用するためのもので、新たにアプリケーションを設計する場合にはなんのメリットもありません。
おそらくこの性質が「on Rails」の名前の所以なんでしょうね。Ruby on Rails が敷いたレールの上を走れば最短距離で目的地まで到着できます。その代わり、レールを外れれば「脱線事故」に繋がりかねません。
したがって、プログラムは自分の流儀で書く!という厳格な方にはあまり向きません。プログラムは動けばいいから楽したい、という(私のような)怠け者に適したフレームワークです。でも、これが人気を博しているということは、プログラマーにはそれだけ怠け者が多い、ということかもしれませんね(^^;
必要なもの
Ruby on Rails はデータベースとの連携を前提にしたWebアプリケーションフレームワークですので、なんらかのデータベースがほぼ必須です。データベースなしでの利用も不可能ではないでしょうが、あまりメリットはないと思います。
ここでは、データベースとして MySQL を使用することを前提にします。インストール方法は MySQL のページからリンクされている記事を参照してください。そのほかに Ruby on Rails がサポートしているデータベースは PostgreSQL, SQLite, Oracle, MS SQL Server, IBM DB2, Firebird です。これらを使用する場合は、MySQL 依存部分を適宜読み替えてください。プログラム内ではデータベースの差異はほとんど隠蔽されていますので、違うのはデータベースやテーブルを作成する手順くらいだと思います。
Web サーバーは Ruby on Rails が内蔵していますので必須ではありません。CGI として動作しますので、ほとんどの Web サーバーで動くはずです。ただし起動速度の関係から FastCGI の利用が推奨されていますので、とくに実稼働環境では Apache などの FastCGI をサポートした Web サーバーの利用が望ましいです。
インストール
それでは、Ruby on Rails をインストールしましょう。基本的には emerge を実行するだけですが、使用するデータベースに対応するUSEフラグを忘れずに有効にしておいてください。ここでは MySQL を使用しますので、"mysql" を有効にしておきます。追加方法の詳細はUSEフラグのページからリンクされている記事を参照してください。
準備が整ったら、Ruby on Rails をインストールしましょう。以下のコマンドを実行してください。
emerge dev-ruby/rails
これでもう Ruby on Rails が使えるようになっています。設定などはとくに必要ありません。Ruby on Rails はけっこうたくさんのパッケージに依存しているのですが、そういったプログラムのインストールは GentooLinux のもっとも得意とするところですね(^^)
他のプラットフォームのインストール方法は、英語ですがこちらのページにまとまっています。
本日はインストールということで、ここまでで止めておきます。最後に、参考資料としていくつかの書籍・Web ページをご紹介しておきます。次回(明日ではない^^;)からは気ままに簡単な Web アプリケーションなどを作りつつ、Ruby on Rails の使い方をご紹介していこうと思います。お楽しみに!
参考資料
- RailsによるアジャイルWebアプリケーション開発
- Ruby on Rails によるWebアプリケーション開発を包括的に解説している Ruby on Rails ユーザー必携の書籍です。前半は基本的な使用方法を実例に沿って紹介し、後半は Ruby on Rails のそれぞれの構成要素に関して詳細に解説しています。値段もさほど高くないので、お勧めです。
- Ruby on RailsによるWebアプリケーションの高速開発
- IBM developerWorks に掲載されている、Ruby on Rails の解説記事です。あまり詳細な解説ではありませんが、Ruby on Rails の概要を知るにはよいと思います。
- 境界を越える: アクティブ・レコードを探る
- こちらも IBM developerWorks の記事です。Ruby on Rails の重要なコンポーネントである Active Record に的を絞って解説されています。Java プログラマ向けに書いてあるようで、Java に慣れた方にお勧めです。
- RubyOnRails を使ってみる
- Rubyist Magazine に掲載された Ruby on Rails の解説記事です。その名のとおり Ruby 使い向けの読み物なので入門には向きませんが、慣れてきたら目を通してみると良いのではないでしょうか。
- Rubyでアジャイルプロトタイピング
- Ruby on Rails を上流工程でのプロトタイピングに使用する方法を解説しています。Ruby on Rails の使用法というよりは概念的な解説が多いのですが、実際の業務に Ruby on Rails を適用する際には参考になると思います。
詳しくはこちらの記事をどうぞ!
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