多言語対応テキストビュアー "lv" を使う
今日は多言語対応したコマンドラインのテキストビュアーである lv コマンドをご紹介しようと思います。コマンドラインのテキストビュアーとしては less コマンド、およびそれを多言語化した jless コマンドが有名ですが、 lv は grep や文字コード変換フィルタとして使えるという面白い機能があります。
インストールする
Gentoo Linux でのインストールは非常に簡単です。以下のように emerge コマンド一発でインストールできます。
emerge lv
lv のドキュメントではデフォルトの出力エンコーディングは iso-2022-jp になっていると書いてあるのですが、 Gentoo Linux のものは EUC-JP を吐きますね。なので、日本語で使う分にはとくに環境設定も必要ありません。ただし、もちろんターミナルが日本語に対応している必要はあります。「Windows クライアントから SSH ログインする」でご紹介した日本語化後の PuTTY であれば、問題なく表示できるはずです。
使ってみる
基本的な使い方は less コマンドと同等です。以下のようにファイルを指定すれば、日本語で表示できます。もしファイルが指定されなければ標準入力から読み込みます。
lv [ファイル]
また、 "-O" オプションを使えば文字コード変換フィルタとして使えます。
lv -O<エンコーディング> [入力ファイル] > <出力ファイル>
エンコーディング は出力文字コードの指定で、日本語関連では以下の指定があります。
エンコーディング | 出力される文字コード |
---|---|
j | iso-2022-jp |
ej | EUC-JP |
s | Shift_JIS |
u7 | UTF-7 |
u8 | UTF-8 |
lgrep というコマンドを使うと、日本語による正規表現検索が行えます(lv -g でも同じです)。
lgrep <正規表現> [ファイル]
コンフィギュレーション
ホームディレクトリに ".lv" ファイルを作り、そこにコマンドラインオプションを記述しておけば、それがデフォルトで指定されます。例えば、デフォルトの出力文字コードを UTF-8 にしたいなら、".lv" の内容を以下のようにします
-Ou8
また、環境変数 LV に設定しても同様です。
便利なキー操作
ファイルを表示してみたら入力文字コードの判別に失敗して文字化けしていた、なんて時は、t キーを押すと入力文字コードが順番に切り替わります。SHIFT + t だと逆順です。
また、/, ? による検索時にも日本語の正規表現が使えます。検索文字列の入力中、CTRL + p で前の検索文字列を呼び出すこともできます。
以上、駆け足ですが lv コマンドをご紹介しました。lv コマンドひとつで日本語ファイルの表示、コード変換、正規表現検索といった作業が行えるので、日本語の扱いがだいぶ楽になります。とくにコマンドラインでは重宝しますので、ぜひ使ってみてください。
詳しくはこちらの記事をどうぞ!
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