WebOS Goodies

WebOS の未来を模索する、ゲームプログラマあがりの Web 開発者のブログ。

WebOS Goodies へようこそ! WebOS はインターネットの未来形。あらゆる Web サイトが繋がり、共有し、協力して創り上げる、ひとつの巨大な情報システムです。そこでは、あらゆる情報がネットワーク上に蓄積され、我々はいつでも、どこからでも、多彩なデバイスを使ってそれらにアクセスできます。 WebOS Goodies は、さまざまな情報提供やツール開発を通して、そんな世界の実現に少しでも貢献するべく活動していきます。
Subscribe       

Portage を使わずに VMware Tools をインストールする

先日(と言ってもけっこう前ですが^^;) VMware Workstation がアップデートしまして、当然のごとく VMwareTools も新しくなりました。しかし、新しい vmware-workstation-tools パッケージはなかなか stable にならず、無理にインストールしてもうまく動きませんでした。ボランティアでメンテナンスしてくれているメンテナの方には申し訳ないのですが、こう対応が遅いとちょっと困るので、こちらのページの情報を参考にしてパッケージを使わずにインストールする方法に切り替えました。今後のアップデート作業のために手順を記事としてまとめましたので、同じようにお困りの方、参考にしてみてください。

なお、私は X-WINDOW は使っていないので、以下の手順で X 環境に対応できるかは確認できていません。もしだめだった場合はソースの記事を参考にしてみてください。また、もし既に vmware-workstation-tools がインストールされている場合は、適当にアンインストールしてから以下の手順を実行してください。

参考までに、 Portage を使って VMwareTools をインストールする方法はこちらの記事でご紹介しています。

カーネルの再構築

VMwareTools はカーネルドライバをコンパイルしますので、 gcc のバージョンがカーネルをコンパイルしたときのものと一致しないと不具合が起こる可能性があります。念のため、カーネルを再構築しておきましょう。ごく最近カーネルを再構築したばかりと言う場合は、この手順は省略しても(たぶん)大丈夫です。

再構築といっても、一番面倒なコンフィギュレーション作業は必要ありません。ソースをコンパイルして、バイナリを現在のカーネルに上書きすれば OK です。手順は以下のようになります(「?」は現在のカーネルバージョンに合わせて変更してください)。

cd /usr/src/linux
make clean && make && make modules_install
mount /boot
cp arch/i386/boot/bzImage /boot/kernel-2.6.??-gentoo-r?

以上が終了したら、いったん再起動してカーネルを反映させておきましょう。

なお、上記では現在動作中のカーネルを上書きしていますので、万が一再構築したカーネルが動作しないと VM が起動不能になります。そんなオチを未然に防ぐために VMware Workstation には スナップショット という素晴らしい機能があるので、更新作業を始める前に状態を保存しておくことをお勧めします。

VMware Tools のインストール

それでは VMwareTools のインストール作業を始めましょう。ちょっと手間が多いですが、慣れてしまえば大したことはありません。スナップショットをとっておけば失敗しても安心ですので、気軽に挑戦してみてください。

必要なファイル・ディレクトリの作成

まずはインストーラを騙すためにダミーのファイルやディレクトリを作成します。以下のコマンドを実行してください。

touch /etc/init.d/network
mkdir /etc/init.d/rc{0,1,2,3,4,5,6}.d

なお、この作業は始めてのインストール時だけ行います。これらのディレクトリを手動で消さない限り、 2 回目以降のアップデートでは省略できます。

ネットワークを止める

ネットワークドライバが起動中だと VMwareTools のインストールができません。ここで止めておきましょう。

/etc/init.d/net.eth0 stop
rmmod vmxnet
rmmod pcnet32

"rmmod vmxnet" は既に VMwareTools のアップデート時のためのコマンドです。初回インストールではエラーになるはずですが、問題ありません。

VMware Tools をインストールする

さあ、いよいよ本番です。実際に VMwareTools をインストールしましょう。まずは VMware Workstation のメインメニューから [VM]-[Install VMware Tools] を選択して、 VMwareTools のアーカイブにアクセスできるようにしておいてください。そして、以下のコマンドで VMwareTools のファイルを展開します。ファイル名はバージョンによって変化しますので、適宜読み替えてください。

mount /mnt/cdrom
tar zxvf /mnt/cdrom/VMwareTools-5.5.3-34685.tar.gz

ファイルが展開されたら、インストールスクリプトを実行します。

cd vmware-tools-distrib
./vmware-install.pl

このスクリプトはいろいろと尋ねてきますが、ほとんどはデフォルトでかまいませんので、単純に Enter を押してください。ただし、最後に尋ねてくる以下の問いだけは "no" を選択してください。

Before running VMware Tools for the first time, you need to configure it by invoking the following command: "/usr/bin/vmware-config-tools.pl". Do you want this program to invoke the command for you now? [yes]

最後に、以下のスクリプトを実行してとりあえずのインストールは終了です。

/usr/bin/vmware-config-tools.pl -skipstopstart

"-skipstopstart" のオプションは忘れないようにしてください。このスクリプトもいろいろと問いかけてきますが、すべて Enter で OK です。

起動スクリプトを作成

インストール時に "/etc/init.d/vmware-tools" という起動スクリプトが作成されますが、これは GentooLinux 用のものではありません。 GentooLinux の仕様に合わせたラッパーを手動で作成しましょう。といっても、さほど大それたものではありません。以下のファイルを "/etc/init.d/vmware" というファイル名で作成するだけです。

#!/sbin/runscript
start() {
        ebegin "Starting VMware Subsystem"
        /etc/init.d/vmware-tools start
        eend $?
}
 
stop() {
        ebegin "Stopping VMware Subsystem"
        /etc/init.d/vmware-tools stop
        eend $?
}

実行可能属性をつけておくのも忘れずに。

chmod 755 /etc/init.d/vmware

この作業も初期インストール時だけで OK です。アップデートのときは最初に作ったものがそのまま使えます。

動作確認

ここまででひと通りのインストール作業が完了したので、動作確認を行った後、起動時のデフォルトとして登録してしまいましょう。これでうまく動かないと正直言って困るのですが(^^;、その場合はスナップショットで復帰してもう一度最初からやり直し、どこかでエラーが出ていないかを確認するのが良いと思います。

ネットワークドライバ

まずはネットワークドライバの動作確認を行いましょう。以下のコマンドを実行してください。

depmod -a
modprobe vmxnet
/etc/init.d/net.eth0 stop
/etc/init.d/net.eth0 start

最後のコマンドで正常に eth0 が起動すれば成功です。初期インストールの場合は、 "/etc/modules.autoload.d/kernel-2.6" に "vmxnet" を追加しておいてください。従来の "pcnet32" は削除してしまってかまいません。

VMware Tools サービス

先ほど作成した起動スクリプトを実際に実行して、正常に動作することを確かめましょう。以下のコマンドを実行してください。

/etc/init.d/vmware start

エラーが発生しなければ、起動スクリプトをデフォルト起動に登録します。

rc-update add vmware default

これでインストール作業はすべて終了です。 VM を再起動してください。

後始末

うまく起動できたら、 VMwareTools のアーカイブを展開したディレクトリは削除してしまってかまいません。

rm -Rf vmware-tools-distrib

ダミーファイルなども削除できますが、アップデートのときも必要になるので残しておいたほうが楽でしょう。

以上で VMwareTools のインストールが終了です。この方法でインストールしてしまえば、以降は Portagevmware-workstation-tools パッケージに影響を受けることなく、自由に VMwareTools のアップデートが行えます。 VMware Workstation のアップデートに対する早急な対応が必要な場合にはこちらがお勧めです。もちろん、個人で利用している場合など、とくにアップデートを急ぐ必要がなければ、パッケージに任せたほうが手軽かもしれません。皆さんのお好みでお選びください。

関連記事

この記事にコメントする

Recommendations
Books
「Closure Library」の入門書です。
詳しくはこちらの記事をどうぞ!
Categories
Recent Articles